根子集落へようこそ!


 

根子集落を紹介します。所在は秋田県北秋田市阿仁根子になります。
国道105号線で秋田内陸線の笑内駅付近の交差点を西へ分岐(比立内方面へ向かって右側)、一車線の舗装道を登るとトンネルがあり、これを抜けると眼下に根子集落が見えます。

「国重文 根子番楽」「マタギ発祥の地」「隠れ里」「にほんの里100選」大層な肩書きを並べてみましたが、当地で生まれ、育った身としては、さして特別な場所とは思えないのですが・・・。それでも、集落を見物される方は少なからずいらっしゃるようです。ここに住んでいるとよく分からないのですが、この辺鄙(へんぴ)な集落の存在それ自体が珍しいらしいようです。
ほとんどの観光(見物?)の方は、トンネル出口付近で眼下に集落を眺め満足できるようで、集落内を散策される方はあまりいらっしゃらないようです。
もっとも、住民自体が当地を観光地とは思ってはいないようで、集落内をあまりウロウロされても気が落ち着かないと言うのが本音でしょう。
そんなわけで、あまりウロウロしなくても良いように、集落内散策用に案内っぽいページを立ち上げました。でも、ホントに大した見所はありませんよ。 ^ ^;;

 
根子集落地図
航空写真から起こした自作地図なので見づらいのですが・・・m(_ _)m
方位は上がほぼ北になっています。南西(左下)の空白部分は耕地(田畑)なのですが、未完成です。m(_ _)m
 

根 子
根子集落は、北秋田市の南西部に位置し、集落の西側には根烈岳(標高835.1m)がそびえ、四方を山で囲まれています。中心部を流れる根子又沢に沿うすり鉢状の地形に集落が作られています。集落周辺の台地に田畑が作られ、その奧の山には杉の植林が成されています。農林主体の典型的な山村ではありましたが、近年は過疎、高齢化によって農林業に従事する人々は減少してきています。
当地には縄文時代中期と思われる遺跡があるため、古代から人々は住み着いてはいたようですが、この集落は、源平の落武者が渡来して開拓をしたと伝えられています。

根子は「マタギ発祥の地」として知られ、昔は狩猟が主な産業であり、毛皮や肉はもとより、「熊の胆(い)」が貴重な薬であったため、薬の製造、行商も盛んに行っていました。地形的なこともあり、稲作の発達はは比較的遅かったのですが、開墾により、田畑、植林が増え、やがて近代になって鉱山や炭坑といった産業も加わり、それまでの狩り主体の生活からは少しずつ移行していきます。根子マタギの最後のシカリ(頭領)が亡くなり、近年になりマタギを継承してきた方々が相次いで他界したため、根子のマタギは伝説になりつつあります。
マタギが県内はもとより東北、北陸各地に展開され、また薬の行商が盛んに行われたので、山村の小さな集落にかかわらず、各地の文化がもたらされた結果、非常に高い文化・知識を有していました。とりわけ教育は熱心で、有名・著名人こそいないものの、教師や博識な職業に就く人達が多かったとのことです。

「根子番楽」もマタギとは縁が深く、番楽を舞う人たちは同時にマタギも行っていたらしく、マタギが祀っている山の神様、「山神社」に舞台を作り奉納したとのことです。
その昔、番楽は世襲制で、一部の家の親族、その長男にのみ継承されていましたが、やがて後継者不足になり、明治中期になると親族以外の長男にも継承するようになりました。昭和になると更に後継者問題が深刻になり、昭和40年頃以降からは誰にでも演じることが出来るようになったとのことです。近年は更に深刻です、集落の人口減少、とりわけ児童が少なくなり、周辺地域の応援もいただき、かろうじて存続できる状態です。

狩りの生活は廃れ、鉱山も既に閉山され、一生懸命育てた杉の木は需要悩み、老齢化により農業は衰退の一途。集落に産業と言える産業はなく、少子高齢、過疎、限界集落等々、厳しい現実がのし掛かっています。
現在70戸ほどありますが、内8戸は無人(管理がされていが常時住んでいない)の状態です。
「にほんの里100選」と、もてはやせるのも今の内、近い将来無くなってしまうかもしれませんので、早めに「根子」を見ておいた方が良いかもしれません。
 

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