アゲハの幼虫ってみんな似ていて見分けにくいですよね?
かんたんに見分けられるように一覧にしてみました。

当地(秋田県内陸北部)で見つけた幼虫は5種類なのでこれ以外の幼虫とは比較できませんのでご注意下さい。
キアゲハも生息していますが食草が異なることと、姿が明らかに異なっているので除外してあります。(その内、気が向いたら作ります。)

  ナミアゲハ クロアゲハ オナガアゲハ カラスアゲハ ミヤマカラスアゲハ

成 虫

 
  ナミアゲハ クロアゲハ オナガアゲハ カラスアゲハ ミヤマカラスアゲハ

若齢幼虫
(2齢)

画像はありません

若齢幼虫
(3齢)

若齢幼虫
 (4齢)

若齢幼虫の特徴
(背中)

若齢幼虫の特徴
(尾端)

3〜4齢幼虫の特徴

体色は褐色。背中に白班があり褐色模様がある。尾端の白班は繋がっていない(側面のみ)。全体的に突起(イボ)が目立ち、表皮の光沢はないか弱い。 体色は褐色。背中の白班に褐色の模様がある。尾端の白班には背中同様な模様がある。(4齢では模様が少し形が崩れている) 体色は黒褐色。背中の白班は、無いか極薄く見える程度。(側面にはあり)尾端の白班には模様がなく、白さが顕著。尾端に突起がない。 体色は褐色〜緑色。背中の白班には模様があるが4齢になると曖昧になる。尾端は薄茶色で模様はない。体色は3齢幼虫になると緑が強くなる。(4齢まで褐色のものもある) 体色は褐色〜緑色。背中の白班には模様がある。4齢になると終齢と同等の姿になるが、尾端に黄色い突起がある。2齢まではカラスアゲハとそっくりだが、3齢になると尾端の突起が目立つようになる。
3〜4齢幼虫に関しては尾端の白班に顕著な違いが見られますので、区別は比較的容易(もちろんこの5種類限定ですが)です。
カラスアゲハとミヤカカラスアゲハは非常に良く似ていますが、3齢以降はミヤカカラスアゲハの尾端には突起が顕著にみられます。

2齢幼虫までは体も小さく、ちょっと見ただけではよく分かりません。特にカラスアゲハとミヤマカラスアゲハは明らかな違いが見つけられず判別は難しいです。
気が付いたのはナミアゲハの2齢幼虫までは尾端に白班がなかったこと、クロアゲハは背中及び尾端に白班があり、カラスアゲハは背中は白斑ですが尾端は黄色がかっています。(2016年に採取したカラスアゲハとミヤマカラスアゲハは尾端に僅かですが白班らしき物がみられました)

また、カラスアゲハの若齢幼虫の体色は、2齢幼虫までは褐色ですが、3齢幼虫は、褐色、鶯色、緑色と差が大きく、4齢になっても褐色のままのものもあります。(終齢幼虫になると全て緑色になります)
ミヤマカラスアゲハも同様ですが、こちらは4齢になると終齢とほぼ同等な姿になります。4齢と終齢は尾端の突起で判別できます。
尚、一般に、カラスアゲハの背中には水色の斑点があると言われますが、ルーペや写真を拡大すれば分かりますが4齢までは肉眼ではよく見えません。(クロアゲハも白い斑点を持っています)

齢に関しては、1齢はイボに毛が多く、2齢になると少なく(特に胸部)なり、3齢になるとほぼ棘感は消えます。2齢から3齢になると頭部が黒から白に近い色へと変化します。
3齢から4齢の変化は・・・体長ぐらいしか(;^▽^A
飼育して手元で眺めていれば、脱皮の徴候もありますし、そうでもなければ齢は気が付かないでしょう。実際、脱皮直後は脱皮前とあまり変わらない姿をしていますので尚更判別がしにくいのです。従って、私は幼虫の採取は1〜2齢、3〜4齢、終齢と大雑把に区分していますし、その程度しか知識を持っていません。
採取した幼虫が脱皮したのに頭が黒かったなら、採取時は1齢だった、頭が白っぽくなったなら採取時は2齢だった。採取した幼虫の頭部が白っぽかったのに脱皮しても終齢幼虫にならなければ、採取当時は3齢、終齢に脱皮したら採取時は4齢だったと言うことになります。
 
  ナミアゲハ クロアゲハ オナガアゲハ カラスアゲハ ミヤマカラスアゲハ

終齢幼虫
(側面)

終齢幼虫
(上面)

終齢幼虫の特徴
(正面)

終齢幼虫の特徴

体色は黄緑色。背中の模様はオリーブ色から黒まで個体差がある。腹下側面に白いラインは雲形で、腹脚にも続いている。胸背面の模様はシンプル。 体色は緑色。背中の模様は茶色から黒まで個体差があるが、ひび割れ模様がある。胸背面と腹背面の境界に模様がある。色、模様ともにオナガとよく似ているが、胸部背面の眼状紋の間に黒く太いラインがない。(細い黒ラインの模様がある) 体色は緑色。背中の模様は黒でひび割れ模様がない。(脚付近に若干の模様はあるが、背中までは続いていない)クロアゲハとよく似ているが、胸部背面の眼状紋の間に黒く太いラインある 体色は濃い黄緑色で蛍光色。胸背面には特徴的な雲模様がある。
ミヤマカラスアゲハと非常に似ているが、腹脚は薄黄緑で黒いラインがない、胸背面を囲む黄色のラインが眼状紋付近で途切れることで区別できる。
体色は濃い黄緑色で蛍光色。胸背面には特徴的な雲模様がある。
カラスアゲハと非常に似ているが、腹脚は白で細い黒いラインがある、胸背面を囲む黄色のラインが全周にあることで区別できる。
見分け方は写真を並べた逆から区別した方が分かりやすいでしょう。(説明が面倒なので 胸背面=頭、顔として説明する)
額には雲模様があり、首の周りが黄色:ミヤマカラスアゲハ
額には雲模様があり、首の黄色が眼の辺りで途切れている:カラスアゲハ
眼の間に黒く太いラインある:オナガアゲハ
背中の模様にひび割れ模様があり、首に模様がある:クロアゲハ
腹脚に雲形のラインがある:ナミアゲハ

と言うことで、どうですか?(あくまでもこの5種類での見分け方です)

他にも黒系のアゲハは、モンキアゲハ、ナガサキアゲハ、シロオビアゲハがあります。(当地では見かけません)
モンキアゲハ:クロアゲハに似ているが背中の模様が繋がっていない。
ナガサキアゲハ:背中の模様は白色。
シロオビアゲハ:背中の模様は褐色で背中で繋がっていない。

 

inserted by FC2 system