根子集落へようこそ!

番  楽
「番楽」とは、山伏神楽の一種で、かつて修験道の山伏たちによって行われていた神楽です。
11月から正月にかけて、山伏たちが権現の獅子頭をまわして村々を巡り歩き、息災延命、悪魔払いの祈祷を行っていたときに、その宿泊先の民家等で古風な舞いを演じたものとされており、これを山伏神楽と言います。
東北地方(青森、秋田、岩手、山形の各県)に分布しており、日本海側で「番楽」、太平洋側では「山伏神楽」「権現舞」などと呼んでいます。

根子番楽の由来と特徴
当地の伝説は、源氏の遺臣あるいは平家の落人たちが根子の村に移り住んで番楽が行われるようになったとしておりますが、番楽はそれぞれの伝承されていた地域や組織によって舞曲や様式に違いを見せています。
ある記録によれば、慶応(江戸時代)、明治、大正時代は頻繁に近隣町村の依頼を受け出演して重宝がられた舞曲であると記されておりますが、昭和10年に東京で開催された「日本民族芸能大会」に東北地方として出演して以来、各地に伝わる数多くの番楽の中にあたって、古式をよく現代に残している能楽のひとつであると関係各界から注目されてきました。
特に、歌詞の内容が文学的に優れていることと、舞の形式が能楽の先駆を成す幸若舞以前のものであることが賞賛されておりますが、舞は、テンポの速いリズミカルな囃子にあわせて舞う勇壮活発な武士舞いと、古雅な静かなリズムが特徴の古典的舞いの二つに大別されています。

公演日と演目
現在の根子集落における番楽の公演は、毎年、お盆に行っています。
   お盆の公演 ・日 時 (毎年)8月14日 午後7時30分から
           ・会 場 北秋田市阿仁公民館根子分館(旧、根子小学校体育館 現、根子番楽伝承館)
2016年からは「根子番楽後援会」主催の公演が追加されました。
   春(6月第3日曜日)、秋(10月第3日曜日)の2回、昼(午後1時)に、同じく根子番楽伝承館で公演致します。
   後援会への協賛・会費は1口\3,000で、お問い合わせは事務局、電話0180-82-2573(山田)までお願いします。

かつては、表舞12番、裏舞8番の合わせて20番を上演しておりましたが、時代の趐勢とともに裏舞は殆ど廃れてしまい、現在は9演目(うち、裏舞1つ)が継承されています。
現在の演目は、「露払い」「翁舞」「三番叟」「信夫太郎」「鞍馬」「作祭り」「尊我兄弟」「鐘巻」の表舞と、裏舞の「敦盛」です。また、舞に先立って観衆に「口上」を申し述べます。
囃子は太鼓、横笛、拍子板、手平鉦(てびらがね)、法螺貝から成っています。

以上、根子番楽公開プログラム(根子番楽保存会)による

 

露払い(つゆはらい)

番楽の最初の演目で、番楽の舞いの基本になります。通常2〜3人の少年(少女)が演じます。

2012.06.10

2012.09.09

2014.08.14

 

翁舞い(おきなまい)

翁が脇方に対して千秋万歳の舞を舞い、天地長久、息災延命を祈って大地を踏み鎮める舞です。翁面を着けてゆったりとしたテンポで舞う古典的な舞です。

   

2012.06.10

 

2014.08.14

 

 

敦 盛(つあつもり)

「尊我兄弟」の裏舞で、「尊我兄弟」を舞うためにはまだ年齢が足りていない少年が舞います。ボンボリと小太刀で行う剣の修行風景です。

2009.08.14

   
   

2014.08.14

 

信夫太郎(しのぶのたろう)

高舘(たかたて)合戦での佐藤嗣信の最後を語ったもので、活発で華やかな舞いです。幕の中盤には面を着けて舞います。

2014.08.14

   

 

鞍 馬(くらま)

牛若丸と弁慶の兵法比べです。前半は牛若丸の扇の舞い、中盤は弁慶の薙刀をかわすため牛若丸が飛んだり側転したり、後半は弁慶の薙刀の舞いです。

2007.08.14

   
   

2012.06.10

   

2014.08.14

 

三番叟(さんばそう)

能の翁の舞いに由来し、千歳(せんざい)、翁(おきな)に次いで3番目に出る老人で黒色尉(こくしきじょう)とも呼ばれる黒い面を付けて舞います。翁の祝福舞ですが、「翁舞い」と違い、狂言のようにコミカルなしぐさを持つ激しい舞いです。

   

2012.06.10

   

2014.08.14

 

作祭り(さくまつり)

豊年万作を祝して舞う、めでたい舞曲です。「露払い」と同じ舞いですが袴姿の青年が脇差しで舞います。

   

2014.08.14

 

曾我兄弟(そがきょうだい)

父の仇討ちのため、五郎・十郎の兄弟が剣の修行を行っています。五郎の扇の舞いから十郎を交えての舞いとなり、中盤は小太刀を激しくぶつかり合う荒々しい舞いと変化します。後半は十郎の大太刀による舞いとなります。
 
「尊我兄弟」として紹介されることもあります。演目名の幕には「曾我兄弟」となっていますのでその様に紹介させていただきます。

   

2012.06.10

2014.08.14

   

 

鐘 巻(かねまき)

道成寺(安珍・清姫伝説)に由来する舞いとされていますが、物語としては道成寺より鐘巻の方が古いとのことです。
番楽の最後に演じられる演目ですが、蛇が火を吐く(花火)シーンがあるため、(消防法により)当地以外ではあまり演じられることはありません。

   

2012.06.10

2014.08.14

   

 

過去にはこの9演目に加え、「鳥舞い」「蕨折り」「女形若子」や、裏舞の「鈴木三郎」などが演じられていました。

沿 革(概要)
昭和10年10月 日本民族芸能大会
昭和11年 6月 秩父宮同妃殿下ご台覧
昭和24年 秋  全国芸能大会 推薦第1位
昭和34年10月 東北・北海道民族芸能大会 第2位
昭和39年11月 秋田県無形民族文化財指定(県初の指定)
昭和47年 2月 札幌冬季オリンピック前夜祭
平成12年 6月 第15回国民文化祭ひろしま2000
平成16年 2月 国重要無形民族文化財指定
平成16年10月 北海道東北ブロック民族芸能大会
平成19年 6月 ユネスコ無形文化遺産 ACCU賞
平成21年10月 はやちね全国神楽祭
(平成18年9月にも参加)
平成28年 6月 
番楽後援会主催の特別公演を春、秋に開催
  
他にも多数のイベント、
大会に参加させていただいております。

定期の公演は、お盆の8月14日ですが、後援会主催の春、秋の特別公演、集落のイベントや、秋の祭典の際に数演目披露されます。また各地でのイベント等に招待され披露することがありますので定期公演以外にもお目に掛かることがあると思います。

 

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