根子集落へようこそ!

四方を山で囲まれていますから山は珍しくないでしょう。トンネル出口から見ている景色も山ですし、あえて山のカテゴリーを作らなくってもとは思いましたが、普段お目に掛かれないであろう、集落から少し離れた場所から撮影した風景を紹介したと思います。
集落を流れている川(沢)は2本、「根子又沢」と「備前の又沢」です。集落のはずれで合流し「根子川」となります。昔は林道や山道から川(沢)が見えたのですが、樹木の生長によって見通せなくなってしまいました。また、護岸工事や道路整備によって川へおりられる場所が少なくなってしまったのは寂しい限りです。

 

晩秋の森吉山は冠雪。白い筋は森吉山阿仁スキー場です。
山が折り重なっている、こんな所に住んでいるんですね。

麓では木々が芽吹く頃、森吉山には沢山の残雪が。
比較的低い位置からの眺めですが、山がこれだけ見えています。

森吉山夏の景色を撮りに、一番左写真のポイントへ目指すも草藪で道路が見えず挫折。右側の陰っている山はトンネル右の山(長根)。中程にそびえているのは、笑内駅で正面に見える山(名前分かりません)です。

林道脇には樹木が茂っているため、山を見通せる場所はなかなか見つかりません。

 

左が「備前の又沢」右は「根子又沢」、合流して「根子川」になります。
写真を写した時は梅雨のさなかでしたので水かさも増えていますが、夏場は水かさも少なく子供の遊び場には持ってこいです。

「備前の又沢」
ここは昔の道路終点で、釣りなどで上流を目指す場合は沢づたいに遡上しました。今では道路が延伸されています。(崩れて通りできませんが・・・)当時、川幅は1間(1.8m)程度でしたが、今では3倍ぐらいに広がっています。両岸が浸食されたのでしょう。

「根子又沢」
写真は児童館付近の橋から上流を見ています。両岸は護岸工事でブロックになっていますが、草木が進入していたり、河原ができていたりと自然な流れになっています。道路整備や宅地整備で護岸が嵩上げされ川におりにくくなりました。昔は生活に密着された川でしたのに残念です。

 

上右写真を上流川から撮影しました。
両岸ともに草木が鬱蒼としています。昔は護岸づたいに歩けましたが、特に伐採や草刈りが必要な空間でもありませんのでこの有様です。

雪解け頃の「根子又沢」(上)と「根烈沢」(右)の合流点。「根烈沢」は沢に沿って林道が作られましたが「根子又沢」はここより上流には道がありません。
「根子又沢」はここより少し上流に砂防ダムがあります。

左の写真を夏に撮影すると。かろうじて流れが見えますが、まだ見えている方です。上流に向かい草木が多くなり水音は聞こえますが沢の姿はほとんど見えません。

 

「根烈沢」。上中の写真と同時期の撮影です。4/10ですが残雪はかなりあり、雪解け水でやや水嵩は増えていますが、所詮「沢」なので水量はこんなもんです。
 

こんなものもあります
雪解けや雨が降ったときにだけ現れる滝です。しかも木が葉を落としている季節にしか見えません。

 

「渓谷」と言うほどではありませんでしたね。^ ^;; 「根子川」中流域から下流域は林道が断崖の上にあり、いかにも「渓谷」と言った風情があったのですが。樹木が生い茂ってしまい川の姿を全く見ることができませんでした。
根子の川には沢山の釣り人がやって来ます。「根子又沢」「根烈沢」「備前の又沢」の上流にはイワナ、下流には加えてカジカが住み、合流した「根子川」には更にヤマメ、ウグイが生息しています。
 釣りや、川遊びには最適な環境でしたが、現在では草木が阻み川へは容易に近づくことができません。

 

無名ではありますが「根子川」にある滝を紹介します。
通称「滝下(たきした)」と言い、この付近の字名を「滝ノ下」と言います。滝自体には名前はなかったと思いますが「滝下」と言えばこの滝のことです。

落差は3m程で、滝としては小さな部類なのですが、趣のある滝です。子供の頃にはよく水遊びや釣りをしていた好きな場所です。

少し滝と滝壺に寄ってみました。
垂直に切り立った岩と、独特な角張った岩肌がいかにも渓流と言った雰囲気でしょう?

滝の正面からです。数日前まで雨続きだったため、かなり水かさが増しています。普段は幅の1/3程、中程の窪みから落ちているのですが、この日は滝の幅全面から落下しています。

 

落下した水が滝壺の底まで潜り込んだあと、湧き上がるように流れ出ていきます。
水の落下もさることながら、滝壺から湧き出す水は迫力満点でした。水量が少ないと、この様な水の膨らみは出来ません。

滝の上部から水の落下と滝壺を望みます。ジッと下を見ていると吸い込まれそうです。

 

 

滝の上流も鬱蒼とした木々で埋め尽くされています。秋の紅葉はいかがでしょう?楽しみです。(子供の頃の紅葉の景色が記憶にありません。釣っていたのに。)

滝の上流です。いかにも渓流といったたたずまいでしょう?流れはほぼ直角に曲がって滝へと落ちていきます。

滝の下流側です。滝の荒々しさをよそに、穏やかに流れていきます。

この滝の更に下流に「合滝(あいだき)」(字あっているのでしょうか?音でしか分からなかったので・・・)というナメ滝があります。落差はさほどありませんが、川幅が急に狭くなっていて急峻な流れになっています。以前は林道からも眺めることができましたが、今は木が遮り見ることができません。
また、支流の沢にも滝がありますが、この季節はほとんど水がないので撮りに行っていません。

 

ちょっとおまけ。
滝は昔のままでしたが、道がすごいことになっています。最近ここへ行った事がない人達に報告がてら近況を。

滝下への入り口。草で覆われているので車だと通り過ぎてしまうかも?
下りの坂道は車の轍も残っていて、多少の草はありますが歩くには問題ありません。道路以外は木が鬱蒼としています。

橋から坂道を見ています。
坂を下りきった辺り。草がすごくて道が全く分かりません。ここだったかなと言う勘だけで草をかき分けてきました。

川を渡る橋です。桑の木が覆い被さって道をふさいでいます。

 

滝へ向かう田んぼのあぜ道はどこにあるやら。元田んぼはヨシとカヤで埋め尽くされています。
ちなみに、橋から見えた正面の田んぼは全く見えません。一面ヨシとカヤで全く見通がきかない状態です。

橋から上流(滝側)を見ています。昔とほぼ変わらない景色でした。さすがに木は育っていますし、右側には木はなかったような気がします。

橋から下流を見ています。
川の中程にある岩に見覚えはありませんか?護岸のブロックは丸ごと流されたというのに、この岩だけは昔のまま鎮座しています。岸から飛び乗れた場所にあったのに、こんなにも岸が削られて今や川の真ん中に。 

 

林道

どちらかというと、おまけPart2でしょう。「滝下」で撮影後、林道から眺める「合滝」の撮影に向かいました。結果的に、育ちすぎた樹木のため、川は全くと言っていいほど見えませんでした。道すがら、見覚えのある場所を撮影してきましたので、昔の景観が御存じの方の為に現在の姿を紹介します。

「滝下」の入り口の少し集落よりのカーブに「忠魂碑」があった場所です。現在「忠魂碑」は「山神社」へ移設されています。跡地は山の斜面になっていて、場所すらよく分かりませんでした。少し離れた場所に小さな石柱?がありました。(何か書かれていましたが、土手の上だったので近くには寄りませんでした)

矢印は「冷や水(ひやみず)」と呼ばれた場所です。周囲はひらけていた場所ですがご覧の通り、道の両側は杉林になっていて太陽すら当たりません。

現在、排水のための工事をやっています。(手前は盛土されています)茂みを除くと・・・今も沢水が流れ出していました。この道を通るときは必ずと言っていいほどここで一服していましたね。

 

「合滝」の入り口付近。
川へ下りる道は見つかりませんでした。当時、田であった場所に盛られていた赤茶けていた土(トンネル掘削の残土?)も草木が生え下は見えません。

少し進んだ道から木々の隙間を覗くと笹が見えます。左の写真の矢印位置付近から下りて、この笹藪の横を通って川へ出られました。

この地点まで過ぎると「合滝」はもう見えません。ここまでの間、木々の隙間から見えるわずかな流れだけで対岸の山すら見えない状態でした。ここが唯一対岸の景色を望める場所です。昔は断崖絶壁だった場所でしたが、今や木で覆われ下を見ても川は見えません。

 

間もなく林道の終点(起点?)です。
最近知ったのですが、ここにあった神社は萱草の神社とのことです。この鳥居をくぐった小高い丘に小さい祠があったのですが、なぜここに神社があるのが不思議でなりませんでした。今は鳥居だけ残し祠は見あたりません。昔の人ならいざ知らず、今時ここまでお参りも大変でしょうし、集落へ移転されたのでしょう。

鳥居の付近から萱草集落を望みます。
この先、斜面を下りて旧国道の萱草橋へ通じる獣道があったのですが、見つかりませんでした。当時からも言わなければ気が付かないくらいの、本当の獣道だったのですから、もうここを歩く人もいないので道は草木で覆われていても当然ですね。

ここのカーブを過ぎると一直線で国道まで下ります。クッキリ見えた萱草の鉄橋(大又川橋梁)は、林道も鉄橋付近の木も成長してしまい、今見えるのはこれだけです。

 
 

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