撮影は2014年7月12日。チングルマは終わっていて、ニッコウキスゲが咲き始め。花の端境期でしたが、遊歩道のそばには多くの高山植物が咲いていました。天候もあまり良くはありませんでしたが、数十年ぶりの「森吉山」を堪能してきました。

 

ゴンドラ運転情報 お花の開花情報 (共に森吉山阿仁スキー場のHPです)      

 

 

ゴンドラ乗車

ペンション団地辺りからゴンドラ付近を見ています。正面の山の縦スジはスキー場のリフトの通り道です。
国道105号線の荒瀬付近(標高128m)分岐から車で15分程度でペンション団地(標高470m)に到着します。

ペンション団地付近からゴンドラ山麓駅付近は牛の放牧地になっています。今日は道路脇に牛がいましたのでパチリ。

ゴンドラ山麓駅です。(標高540m)
広い駐車場とレストラン、売店があります。チケット購入、交換は1階の売店になります。飲料水等はここで準備して下さい。基本的に山には水場がありません。

 

ゴンドラ乗り場です。ゴンドラは停車しません。(ゆっくり動いています)慌てず係員の指示にしたがって下さい。

発車間もなくです。下は放牧地です。
ゴンドラは6人乗りで、窓は開けられますが夏季はかなり暑いです。

この先の山に山頂駅があります。シートは堅いし、支柱通過時の揺れはあるし、お世辞にも乗り心地は良いとは言えませんが、慣れでしょうね。 ^ ^;

 

間もなく山頂駅です。(標高1,167m)
乗車の時同様、ゆっくり動いた状態での下車になります。自動ドアですので、開いたら慌てず速やかに気をつけて降りて下さい。

ゴンドラ山頂駅周辺の案内図です。

登山入り口の案内図です。
正面が展望所(樹氷平、リフト)、右側が登山道です。
展望所から登山道にも出られますので、今日は展望所経由で登ります。

 

展望所(標高1,200m)

展望所にある眺望の案内板です。残念ながら霞んでいて全く見ることが出来ませんでした。

展望所から見下ろした山頂駅。駅からここまでの道はかなり急です。それに比べたら、この先の登山道は緩やかに感じることでしょう。

同じく展望所から見下ろしたペンション団地です。この辺りで数少ない建物です。

 

ゴンドラ山頂駅(展望所)から石森まで

展望所で見つけた「ノウゴイチゴ」。かなり赤くなっていますが完熟まではもう一歩。ゲレンデに群落があると聞いています。酸味は強いですが甘みもあり、美味しい実です。

登って最初に目を引いたのがこれ「アカミノイヌツゲ」。葉はややまばらなイヌツゲ、その名の通り赤い実を付けていました。

「オオバキスミレ」。里では沢筋などに群生していますが、この一画だけ咲いていました。

 

今の季節は葉だけですが、初夏の頃は遊歩道のそこかしこに咲いている「シラネアオイ」です。小さな実が出来ていました。

ゴンドラ駅から頂上までの一帯はオオシラビソの森です。この辺りでも高山植物はチラホラ見かけられますが、見頃が過ぎていますので石森まで先を進めます。

石森が近くなると「ニッコウキスゲ」が見かけられるようになります。奧で霞んでいるのは「向岳(森吉山)」です。 

 

石森(標高1,308m)

森吉山山頂方向と石森への分岐点から「石森」頂上を仰ぎます。「ニッコウキスゲ」がポツリポツリ花を付け始めました。

「ニッコウキスゲ」の花です。

「石森」への上り坂の途中から。頂上の標柱がはっきり見えてきました。ここを下りればすぐ頂上への道に合流するので、素通りするのは勿体ない。

「石森」の山頂。山頂では石が積つまれているのですがなぜでしょう?霊山だから?標高を高くするため?(ちなみに、標高には影響ありません。)

山頂から、登ってきた方向を振り返ります。まぁ、視界が悪かったので景色は真っ白なのですが。

遊歩道を歩く登山者です。多くの登山者とすれ違いましたが、皆さんちゃんとした装備です。私はカメラ1台とラフな服装にスニーカーでしたが。 ^ ^;

 

「石森」の山頂から北方向を望みます。森吉避難小屋付近です。奧の高い山は「一ノ腰(標高1,264.6m)」少し手前の小高い丘が「前岳」(標高約1,270m)。見た目「一ノ腰」の方が高く見えますが、見下ろしているのでこのように見えます。

森吉避難小屋と森吉神社、そして冠岩です。手前の湿原は雪解けが遅いため、これから花(チングルマ、イワカガミ)の見頃をむかえるそうです。 

「石森」の山頂から「向岳(森吉山)」を望みます。頂上付近は雲で見えません。

 

一帯が覆われていた雲が晴れ、ほんの一瞬、森吉山の頂上が見えました。見えたのは1〜2分ぐらいで、また雲に隠れてしまい、この一帯も霧の中も覆われてしまいます。

突然雲が湧き出してこの一帯も霧(雲)で覆われ、目の前(1mぐらい)を雲が流れて行くのが見えます。

「石森」の頂上に生えていたのですが…?
これが「コメツガ」なのかと思って撮ったのですが、葉の雰囲気が違うっぽい。「オオシラビソ」の幼木???

 

ここからは「山頂駅」から「石森」まで、出会った花々を紹介します。道の両脇に小さな群れを作る「ゴゼンタチバナ」は、比較的暗い場所を好むようです。今が旬なようで、あちらこちらで見られます。

高山植物ではお馴染みの「ハクサンチドリ」は群れを作らず、ポツリポツリと点在しています。それでも花色が濃く目立つため、道端では否応なく目が行ってしまいます。

「ハクサンチドリ」も「ゴゼンタチバナ」同様、「山頂駅」付近から「稚児平」付近まで道端に良く見かけられました。 

 

「ハクサンボウフウ」セリ科独特の花を付けます。この季節、里でも似たような花が開花していますので、気が付かずに素通りしやすい花です。山の低い位置から高い位置までの全域で見られます。

高山植物の代名詞とも言われる「イワカガミ」。さすがにこの季節は時期外れかと思いましたが、比較的低地でも日影等で雪解けが遅かったのか、道端にチラホラ見られました。

「マイヅルソウ」葉は結構見かけるのですが、花の数は多くはありませんでした。手前に一輪あるのは「ツマトリソウ」です。「ツマトリソウ」は他の花に紛れているのが多く、あまり数を見かけませんでした。 

 

湿地では見事に群落を作る「イワイチョウ」その葉の数の見事さと、花の数の少なさ。

これだけあるのに花はポツリポツリ。実の付いた花茎が見あたらないのでこれからが見頃?

「キンコウカ」の蕾だと思います。比較的低い位置でも道端に蕾を見かけました。夏の山を黄色く彩ります。 

 

この季節もっともよく目に付く「ウラジロヨウラク」低い位置から高い位置まで道端の斜面を彩ります。

 

石森から湿地帯まで

「石森」からは、このルートでの唯一の緩い下り坂です。遊歩道両側の「オオシラビソ」も心なしか背が低く感じられ、視界も利いてきました。

「オオシラビソ」の新芽です。丸くて先端がピンクの可愛い芽です。別名「アオモリトドマツ」、当地では「モロビ」と呼びます。香りの良い木です。

「石森」を過ぎると道端に目立ってきたのが「イワハゼ(アカモノ)」です。薄暗い道端で一際鮮やかなガクの赤、花の白。

 

湿原の入り口にはあつらえたように鎮座していた「水芭蕉」。さすがにこの時期まで仏炎包は残っていませんが、まだ葉が青々しています。

湿地ではお馴染みの「イワイチョウ」です。湿地帯の標高は1,280ぐらいです。

やはり花数はあまりありません。こんなものでしょうか?ヒラタアブがせっせと飛び回っていました。

 

ここの湿地帯の隅で「イワカガミ」の小さな群れを見つけました。窪地故に雪の量が他より多かったのでしょう。雪解けが遅かったせいで今が見頃でした。セリのような葉は「チングルマ」でしょうか?蕾も実もありませんでしたのでまだ若い株なのでしょうね?

 
 

湿地帯を振り返りつつ、阿仁避難小屋まで先を進みます。

 

湿地帯から阿仁避難小屋まで

「石森」から「湿地帯」までの間はあまり見かけなかった「ニッコウキスゲ」が再登場します。沢山の蕾がありますので間もなく山を覆うでしょう。

足下には当然のように「イワハゼ」が。小さいながら自己主張はかなりのものです。

この付近で数株見られた「タニウツギ」。里では田植えの頃にごく普通に見られるのですが、この季節に会えるのは新鮮です。

 

この季節主役の「ウラジロヨウラク」

「ウラジロヨウラク」と「ニッコウキスゲ」。「イワイチョウ」も咲いています。これに「イワハゼ」が写っていたら、この周辺の4大勢力が揃ったのですが。

避難小屋直前にある「魔除け・幸福の鐘」と『クマに注意!!』の張り紙。

 

阿仁避難小屋から稚児平まで

阿仁避難所(標高1,311m)です。ここから5分ほど下った場所に水場があるそうですが、私は行ったことがありません。水の補給が必要な際にはご利用下さい。

阿仁避難所を過ぎ、振り返って1枚。昔はこんなに立派な建物ではなかったような気がします。建て替えたのでしょうね。道も少し変わっていました。

阿仁避難所近くににあった「ハクサンシャクナゲ」です。

 

阿仁避難所から少し進んだ場所からみた「森吉山山頂(標高1,454.2m)」です。山頂付近の雲が晴れてきました。

この石に特別な由来はあるのでしょうか?白い花は「ハクサンボウフウ」他にも「ノギラン」の蕾、花はありませんが「ウラジロヨウラク」「ニッコウキスゲ」「イワカガミ」などが見えます。

「稚児平」までの中程。「オオシラビソ」が途切れた遊歩道の脇の草地には「ニッコウキスゲ」が目立ち始めました。

 

「マイヅルソウ」が草地の中にポツリとたたずんでいました。

「ノギラン」の蕾。特徴のあるロゼッタ状の葉は、花がなくてもよく目に付きます。

「ハクサンシャジン」夏の高山植物の代表格です。まだ花には早かったのですが、この株だけ花を咲かせていました。

 

「ハクサンフウロ」。こちらも夏を彩る花で、ピンクの花びらが綺麗です。まだ咲き始めのようで、花は2箇所しか見つけられませんでした。

花が咲き進むと雄しべが落ち、花びらと雌しべだけの姿になります。

「稚児平」の坂下辺りにあった「マルバシモツケ」。こちらもこれからが盛りとなる花です。

 

斜面の草地には「ニッコウキスゲ」が咲いています。今は斜面一面とはいかないものの、間もなく見頃を迎えることでしょう。草地には「ウラジロヨウラク」や「ハクサンボウフウ」の花も見られます。

 

「稚児平」の坂下から来た道を振り返ります。山は「石森」でしょうか?

強い西風に晒されるため、独特な風貌になった「オオシラビソ」。標高の高い位置に生えているならではの姿です。

「稚児平」が近くなると頻繁に目に付き始めたのが「チングルマ」。当然のように時季外れだったので花は終わっています。

 

道の両側に小さな群落を作っています。花もいいのですが、なかなか趣のある実の姿も捨てがたいものがあります。ちなみに「チングルマ」は草ではなく木です。

頻繁に霧が発生しますので、綿毛には水滴が付いています。

この季節は遠目には地味な色ですが、花の季節には白一面に咲き誇り綺麗でしょうね。秋には真っ赤に紅葉し、一面を彩ります。

 

さて、この後この坂道を登り「稚児平」(標高約1,410m)へ向かい、ベンチで一服しながらチングルマの見物をしていたのですが、急に深い霧に包まれてしまいました。
頂上まで10分程で着く位置にあるのですが、さすがにこの天候では頂上からの眺望は期待薄、標柱だけを撮るために頂上まで登るのも何だかなと思い、ここで下山することにしました。もっとも、「石森」で霧に包まれた時には、そこで下山しようかと考えたのですから十分に楽しめたと思います。
山頂駅を出たのが正午少し前、「稚児平」での到着時刻は2時半過ぎ、「石森」で待機の30分を差し引くと、写真を撮りながらのんびり登っても2時間程度です。ゴンドラの最終便は16:00、頂上からの下山所要時間は1時間程度(ガイドでは80分)ですので頂上は14:30頃まで遊べる公算となります。(余裕を持って下山してください ^ ^; )

 

おまけ

実は、「チングルマ」の見頃は既に終わっているのですが、遅くまで雪が残っていた場所にはまだ花が残っています。諸事情により、この場所はお教えできませんが許可を得て撮影しています。
遅くまで雪が残っていた「山人平」や「森吉避難小屋」付近の湿地は、これから花を付ける場所なので、時期が合えばお花畑に会えるかもしれません。

 

 

 

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