撮影は2015年6月11日。ゴンドラの夏期運転が開始(6/6)され、「花の百名山」真骨頂!ゴンドラ山頂駅付近8合目から頂上付近まで、道端には初夏の高山植物が咲き乱れています。石森付近まではシラネアオイ、阿仁避難小屋付近はヒナザクラ、稚児平付近はチングルマ、イワカガミが見頃を迎えています。文字通りお花畑です!!
写真枚数が多く1ページに収まりきれません?ので稚児平のお花畑は別ページにしました。

 

ゴンドラ運転情報 お花の開花情報 (共に森吉山阿仁スキー場のHPです)      

 

シラネアオイ

今回は、樹氷平(展望所)を通り越してブナ帯からの登山道分岐点付近から撮影開始。
いきなり、登山道の左右に立派な株がそこかしこに花を付けています。

石森付近までは花を終えた株、咲き始めた株、やっと芽が出てきた株と千差万別。やはり日当たりの良い場所は花を付けるが早いため花を終えていますが、日影だった場所は今が見頃、雪解けが遅かった場所はこれから花を咲かせます。
 

シラネアオイ、本日の最大の見頃は石森分岐手前!頂上に向かって木道右手に、意図的に植えたのかと思うほどにズラリと並んでいます。花もちょうど見頃で壮観でした。
 

ちょうど良いところに、ちょうど見頃だったシラネアオイ。向岳(森吉山)を背景にして収めました。
この先、阿仁避難小屋を越して緩い下り坂過ぎ辺りまでは登山道のあちこちに見ることが出来ます。 

ショウジョウバカマ

雪解け後、いち早く花を咲かせる花の
ひとつです。低い位置から、頂上付近まで全山で見ることが出来ます。
標高の高い位置は日当たりがよいので花を終えている物が多かったのですが、樹氷平から少し登った辺りは雪解けが遅いため今が見頃でした。

 
ポツリポツリと点在していて群落は作らないようですが、道端の草むらには必ずと言っていいほど見られます。花を終えると、花はくすんだ赤みを帯びて下を向きますが、花びらはしばらく落ちずに残っています。

ミツバオウレン

ミツバオウレンも全山で見られますが樹氷平から阿仁避難小屋付近に多く見られます。

 
草丈10cm程度、花も1cmと小さいのですが群落になりますので探すのは容易です。
草むらからヒョロリと華奢な花茎を伸ばし、三つ葉の葉も遠慮がちに添えられています。地味な感じの花ですが、花の作りも趣があり、華奢な風貌と相まって結構好きな花です。

ツクバネソウ

樹氷平を少し登ったところに数株がひっそりと咲いていました。本来もう少し低い標高の場所に分布しているようで、今日はこの株だけしか見つけられませんでした。

イワハゼ(アカモノ)

比較的全山登山道の脇に見られますが、阿仁避難小屋前後で良く目に付きます。
この時期はまだ蕾で、見頃はもう少し先ですが、樹氷平を少し登ったところに1株だけ花を咲かせていました。

写真中央、マイヅルソウ、ゴゼンタチバナ、ツマトリソウと一緒に咲いていました。ツマトリソウ(写真下の白い花)は今日見かけた唯一の1輪です。 

ヒナザクラ

石森付近から山頂付近(稚児平上部)まで見られます。
今回は石森付近の湿地帯は雪解け間もない(まだ残雪があります)ため花はまだ少なめですが、阿仁避難小屋付近から稚児平までの斜面草地に大群落を形成していました。

上のミツバオウレンと同様、草丈10cm程度、花も1cmと小さいのですが大群落になります。花は真ん中の黄色がポイントで、数個の花を付けます。
大群落とはいえ草むらの中に咲く小さな花ですので遠目では見劣りします。そばで花を間近に観察(観賞)するのが良いかと思います。

ハクサンチドリ

山頂まで全山で見ることが出来ます。群落は作りませんが、かなりの数があり頻繁に見かけます。ピンクの花も目立ちますので否応に目が行ってしまう花です。
まだ咲き始めで蕾も多く、見頃はこれからです。花期も長いのでしばらくは楽しめます。

オオバキスミレ

山頂まで全山で見ることが出来ます。
里山でも沢筋などに群落があり、個人的には見慣れている花ですが、それはそれ、これはこれ、森吉山にあると言うこに意義があるのです。

マイヅルソウ

阿仁避難小屋付近まで見ることが出来ます。里山でも見られるそうですが、私は見たことはありません。(初夏の里山はあまり用がないので…)
道端で頻繁に見かけられますが、今はまだ蕾です。

チゴユリ

上の”マイヅルソウ”と同じ場所に咲いていました
。元々この場所より標高が低い場所に分布しています。今日はこの株以外には気が付きませんでした。
里山でも林道脇に普通に見られますのであまり珍しくもありませんでしたが、標高1,200m付近に咲いていることに価値がある??

ゴゼンタチバナ

やや標高の高い地点(1,000m以上)から頂上付近までみられます。
ちょうど咲き始めた時期のようで、花の数は多くありませんでしたが、見頃になると道の脇に沢山見かけられるようになります。

 
4枚の白く花びらに見えるのは萼で、本来の花は中央に集まった小さなつぶつぶです。咲き始めの萼は緑色で次第に白くなり中央の花が開花します。

ツルシキミ

石森手前で見つけました
。里山でも普通に見られる常緑低木です。森吉山で咲いていたので撮ってみました、みたいな…

 
名前に”ツル”と入っていますが蔓植物ではありません。
近縁種にミヤマシキミがありますがそちらは暖地性で、当地の種はほとんどがツルシキミだと思われます。
全草及び果実は有毒です。

ツバメオモト

石森手前で見つけました。森吉山ではあまり見かけないそうです。

タケシマラン

全山で分布しているらしいのですが、花が目立たなく草姿が他の種類(チゴユリ等)と似ているため素通りしてしまいます。
石森手前で他の花を撮影中に偶然目に留まりました。丹念に探せば他の場所でも見つけられると思います。

 
草丈は30cm程ですが半分倒れたような体制で、地上からは15cm程度の高さになっています。互生する葉の脇から個性的な小さな花(3〜4mm)をぶら下げています。

イワイチョウ

主に湿地帯に分布していて大群落を作ります。湿地帯以外でも湿り気のある場所であれば旺盛に繁殖します。ただ、葉は見事ですが花数がまばらなのが残念。
花の時期としてはまだ早く蕾のものが多いのですが、稚児平周辺ではポツリポツリと開花していました。

名前の由来が「葉の形をイチョウに見立てて…」と言われていますが本当でしょうか?誰がどう見てもイチョウの葉とは似つかないと思うのですが…
察するに、葉が黄色に黄葉するのでイチョウの黄葉に見立てて命名したのでは?そもそも、岩場に生息していないにもかかわらずイワイチョウとはこれいかに??

ベニバナイチゴ

阿仁避難小屋手前に集中的に見られ、稚児平付近まで点在していました。(石森付近にもあるらしい?)

落葉低木で積雪のせいか這うように育っています。地上1m以下の高さなので花や実がなければ素通りかもしれません。木イチゴには珍しいピンク色の花で、下にランプのようにぶら下がっています。花付きはあまり良くないようですが、遠目でも良く目立っています。花が若いのか開ききっていません。8月頃に実を結び、食べられますので一度食べてみたい物です。

マルバマンサク

紅葉の季節にあれほど見かけられたのですが、道すがら全く花を見ることが出来ませんでした。もう花の季節は終わっていたのでしょう。
帰りに阿仁避難小屋のそばに花が付いている木を見つけました。

花の色は黄色と言うよりもクリーム色に近い感じです。里山で見るマンサク(種類が違う)は花びらがもっと細く黄色が鮮やかでしたので、その感覚で探していたのですから見つからない訳です。1本は膝の高さ程度の大きさ、もう1本は笹藪をバックにしているので枯れ葉に紛れています。

ノウゴイチゴ

ゴンドラ駅周辺に集中的に咲いています。ゲレンデにも大群落されているらしいが、私はゲレンデのほうは確認できていません。(今の季節フキが覆っています。)

 
ゴンドラ山頂駅周辺から樹氷平までの登山道に沢山ありますが、既に花を終えていました。
上の3枚の写真は阿仁避難小屋手前で見かけたもので、数株咲いていました。更に標高の高い場所にも見られますが数は少ない模様です。
開花から1箇月ほどで実が熟します。実は、細長の俵形をしていて1cm程、完熟した実は酸味が強いものの甘みもあり美味しい実です。ジャムにするのが最適ですが、実が小さいので採取が面倒です。

ヒメイチゲ

阿仁避難小屋周辺に分布しています。避難小屋手前からポツポツ見え始めますが、見所は避難小屋を越え、緩い下り坂の登山道に沢山生えています。
と、思ったらゴンドラ山頂駅のすぐ側にありました。(写真右下)移植したのでしょうか??

イワナシ

避難小屋を越え、緩い下り坂の登山道でよく見られます。

 
筒状の花は、透明感のある淡いピンクで小さい可愛い花です。
実は食べられます。(私は食べたことがありません)

ザゼンソウ

全山の湿地に分布しているようですが、今回の登山ルートではこの1株だけでした。

 
赤茶色の部分は仏炎苞と言い、葉が変化したもの。属は異なるものの水芭蕉と似た作りです。水芭蕉は良い香りをするのですが、こちらは吐き気をもよおす様な悪臭を放ちます。英名は「スカンクギャベジ」といいます。

ムラサキヤシオツツジ

比較的標高の低い位置から山頂まで分布しています。稚児平へ向かう上り坂の土手に2株ありました。
里山でも山桜を終える頃に林道脇で見られます。

 
花付きが良くないツツジですが、今日であった株は比較的花付きの良い株でした。
ムラサキというより綺麗なピンクです。もっとも、蕾は濃い紫色をしており、名に偽りはありません。

イワカガミ

御存じ高山植物の代名詞とも言える花です。樹氷平付近から山頂付近まで広く分布していますが、数は少ないものの、もっと標高の低い場所にも咲いています。
稚児平や山人平では”チングルマ”に混じりお花畑を形成します。若干”チングルマ”の方が開花が早いようで、2種を同時に収めるにはタイミングを計る必要があるようです。
雪解けの早い遅いによって開花の時期が大幅にズレます。逆にいうと全山に関しては花期が長いと言え、大きく時季を外さなければどこかで花を見ることが出来るとも言えます。

ゴンドラ付近はまだ蕾ですが、気の早いものは花を開いています。石森付近になるとポツリポツリ開花した株が見かけますが、登山道脇の見頃は間もなくです。もちろんまだ雪が残っている箇所はもう少し先になるでしょう。稚児平付近の一帯が今日の見頃でした。

チングルマ

こちらも高山植物の代名詞とも言える花です。稚児平や山人平のお花畑の主役です。森吉避難小屋手前の湿地帯付近にも小群落がありますので、あまり遠出をしない方には打って付けです。現在は雪解けが早い稚児平付近が見頃です。

稚児平の下部は花を終えている所も多くなっています。逆に中程の休憩所付近はまだ蕾が多く間もなくお花畑になりそうです。今日は稚児平の下部が見頃で、見事なお花畑になっていました。お花畑の写真は別のページにまとめて掲載します。

今日の森吉山

今日(6/11)の森吉山の風景、登山道の残雪の状態等々。

樹氷平から登山道に合流し間もなく残雪が迎えてくれます。勾配が緩いので長靴で十分通れます。(スニーカーだと滑って歩きにくいでしょう)

雪渓の中程から登ってきた方向へ振り返ります。
雪は締まっていて、且つ表面は溶けて柔らかく、歩きやすい残雪でした。

石森頂上から向岳(森吉山)を望みます。

石森裾野の平場はやっと雪が消えた状態。阿仁避難小屋へ向かう下りは残雪があります。
 

森吉避難小屋方向。湿地帯には若干の雪が残っていますが、草地は乾いているようなのでもう少しすれば”チングルマ”が見られると思います。

雪渓を越え1個目の湿地帯から来た道を振り返ります。

湿地帯自体は雪が無くなっていますが、次の湿地帯まではもう一山(雪渓)を越えます。
 

雪渓の途中から1個目の湿地帯を振り返ります。

雪渓の頂上付近から2個目の湿地帯方向を望みます。
ちなみに2個目の湿地帯付近には雪はなく”ヒナザクラ”が咲いていました。

その後は雪渓もなく頂上到着。
山麓駅を9:30出発、山頂到着13:30・・・4時間掛けて登頂Σ(^▽^lll)
 

山頂から山人平方向。山人平は雪は残っていませんが、湿地帯や周辺の木道には残雪があります。アプローチの鶴ヶ岱はたっぷりの残雪。急斜面なのでアイゼンがあると安全。と言うか、まだ花には早いらしい。

帰り道、阿仁避難小屋を下りた付近から石森を望みます。

その他の花や、蕾や、これ何??な植物

いやぁ、専門ではないので…名前が分からない植物が多く、しかも花が咲いていれば調べようもあるが、葉っぱや蕾だけではどうしようもない物体もあります。分かる方教えて下さい。
上に紹介した花以外の花や蕾などをドーンと。

樹氷平分岐から少し登った辺りにあった”コシアブラ”
食べるにはちょっと開きすぎかな?

石森の途中、雪渓越え、やや登った辺り。
見た目は”イヌドウナ(ボンナ)”そっくりなのですが、茎が紫色です。さてこれは何でしょう??
6/27追記 ミミコウモリと思われます。

スキー場HPによれば”ミネザクラ”が咲いているとの情報。あるのは実だらけ。花はいずこ?

石森手前で見つけたのてすが、花芽が付いているので撮ってみましたがこれは何でしょう??
根元には、ギボウシやコバイケイソウのような広い葉をもっていて、茎には細い葉が互生しています。背丈は1m程でしょうか。ユリ科の植物だとは思いますが、アオヤギソウか?。6/27追記 アオヤギソウと判明しました。

”ニッコウキスゲ”の蕾です。まだ雪も残っているのに既に夏の花が準備を始めています。

”エンレイソウ”です。里山、と言うが、そこいら中にあるので珍しくもないのですが、標高1,300付近に咲いていると言うだけで撮ってしまいました。

左の幅広の葉が”ノギラン”で、右側のやや細めの葉が”ネバリノギラン”その奧も”ノギラン”です。いずれも花芽が付いています。

石森頂上にある”ナナカマド”白い蕾が着いています。

右手前の立派な葉を持つ2本は”コバイケイソウ”奧のちょっとスリムなのは分かりません。大小に違いがあるけれど同じもの?

ほとんどは新芽が展開している途中でしたが、稚児平付近の”ウラジロヨウラク”は蕾を付けているものがありました。

山頂のハイマツ郡にトゲだらけの植物を見つけました。花の蕾を持っているのですが、これは何でしょう??
6/27追記 ハリブキと判明しました。

山頂すぐ下に見つけた”コケモモ”。蕾を持っていましたので、間もなく開花します。花は淡いピンクの釣鐘状の花です。

阿仁避難小屋付近から山頂までよく見かける”ハクサンシャクナゲ”。これは花芽ですが、花付きはあまり良くないようです。葉芽は展開しています。

今日の縦位置アングル

個人的には写真の縦位置のアングルは好きなのですが、レイアウトの都合で縦横混在は作りにくいのです。元々このHPを作成するために写真を撮りに登ったわけで、基本的には横アングルで撮影してきたわけですが、縦アングルの写真も捨てがたいので、ここで3枚掲載しておきます。

石森手前の見晴らしからのシラネアオイと森吉山

阿仁避難小屋付近からの森吉山とシラネアオイ

稚児平下部の花畑と森吉山山頂

 

上の方でも触れたのですが、麓から頂上まで4時間かかりました。頂上で30分程、下山も撮影しながらほぼ2時間、ゴンドラ最終10分前でやっと駅に到着。おかげさまで撮影枚数も700程になりました。Σ(^▽^lll) デジカメだからこんなに撮影してしまったのですが、フィルム(ポジ)だと予算の都合というものもあり、せいぜい100コマ程度でしょう。まぁ、それだけ魅力的な被写体が沢山あったと言うことで、デジカメってホントに助かります。
一応レンズは24mm〜200mmまで用意したのですが、結局50mmマクロ1本で一日中撮影してしまいました。レンズを減らして三脚を担いだ方が結果的に良かったと後悔しています。ただ、所持している三脚が重いものだけなので登山用に軽量な三脚を用意しなければ。
マクロレンズを手持ちで目一杯被写体に寄るのにはキツイものがあります。出来上がった写真はピントがズレたりブレたり深度が浅かったりと散々な結果になってしまいました。HPに掲載するにはかなり縮小していますからアラは目立ちませんが。

昨年10月12日以来の山登りでしたが、運動不足というか怠け者というか、稚児平上部のお花畑の撮影を終え頂上を目指そうかと歩き出したとたん、フトモモ(前)に痙攣の兆しが…(というか、半ば痙攣していたのですが)。ちょっとでも動くとそのままやっちゃいそうで、しばらくは動けない状態になってしまいました。
ローアングルが多くなるため、下半身が無理な姿勢で酷使したせいでしょう。しばらく休むと痙攣は治まりましたが、数日間は痙攣独特の痛みが引かず歩くのに不便でした。ちなみにフクラハギにくる筋肉痛はありません。春は山菜採りで山を駆けめぐったせいか、運動不足では無かったみたいです。

樹氷平から石森の区間、アブ、ブヨがまとわりつきます。アブは”メクラアブ”、ブヨの種類は分かりません、ショウジョウバエを二回り大きくしたような形をしています。桜が咲く時期に発生するので地元では”サクラガ”と呼ばれています。いずれも吸血性で、”メクラアブ”に刺されるとかなり激痛を感じます。腫れはないのですが数日かゆみが残ります。ブヨは刺されると、猛烈なかゆみに襲われます。刺されたときはさほど感じないのですが、時間の経過と共にかゆみが増してきます。かゆみは数日から長いと数週間続きます。
撮影中で動けなかったり、死角に隠れたりで両手で5箇所刺されました。(実際アブ、ブヨは刺すのではなく皮膚を切り裂き血をなめます)追い払ってもしつこく攻撃してきますので、皮膚に止まったらすかさず叩き潰してください。
蚊取り線香や虫除けスプレーで対策したほうがよいかと思います。効果の程は不明ですが、ブヨに関しては蚊取り線香は有効です。但し、煙を出しますので撮影の際は風向きに注意。


あまりにもページが長くなってしまいましたので、稚児平のお花畑は 
別ページへ続く

 

 

 

 

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